私たちは今、スタートアップのための未上場株の取引所を作っています(セカンダリーブログ#1)

こんにちは、Nstockのセカンダリー事業でプロダクトマネージャーをしています、satojunです。今日は私たちが立ち上げ中の「セカンダリー事業」の話をしたいと思います。すごく簡単に言うとこんなことをしています。

  • 証券会社を作っています
  • 株の売買ができる取引所を作っています
  • 未上場企業のストックオプション(以下、SO)・株の売買が簡単にできるプロダクトを作っています

なんかすごそうな話ですよね? 実際すごいことをしていると思います。スタートアップの歴史に残るプロダクトを作っている自信があります。

今日はそんな事業の詳細や、2024年4月時点の途中経過をお話したいと思います。

セカンダリー事業ってなに?

簡単に言うと「会社が未上場の段階でも、役員や従業員が保有しているSO・株を売買できる」ようにするプロダクトを作っています。

役員や従業員のみなさまにとっては、会社が上場せずとも保有するSOを売却できる機会が提供されるので、人生の選択肢を広げるきっかけになるのではないかと思っています。

今までは法律や慣習の問題で実現は困難だったのですが、今年の4月に法改正が行われたことで実現できる環境が整いました。

気になった方はこちらの記事を見てみてください。
https://nstock.co.jp/blog/secondary_empowers_theecosystem

具体的になにをやっている?

1. ライセンスを取得する

株の取引所を運営するためには、財務省などの担当の方(以下当局)と対話を重ね、金融商品取引業者として登録してもらう必要があります。

「どんな事業をやろうとしているか」「どんな体制でやろうとしているか」など、我々が金融商品取引業者として安心して業を行えるかを、当局・関連協会のみなさまに理解し納得いただくための環境整備を続けています。

これは、前述の証券会社を作ると同じ話でもあります。

2. 必要な人員、体制を整える

前述のライセンスを取得するためには、人員、体制面の整備は非常に重要なポイントです。さまざまな専門職種の方々にご入社いただき、安心で安全な仕組みを構築する必要があります。

そのための採用活動を積極的に行っています。たとえば2024年3月時点ではこんな求人を出していました。

  • セカンダリー事業 ソフトウェアエンジニア
  • セカンダリー事業 内部管理責任者
  • セカンダリー事業 内部監査責任者
  • セカンダリー事業 証券事務責任者
  • セカンダリー事業 内部管理統括補助責任者

証券業務に関わりのない方からすると見慣れない漢字が並んでいると思いますが、このような専門領域の方々の協力があって、証券業務というものは成り立っています。

実際、採用活動はとても難しいです。

証券業務の専門職であるほどコネクション作りが難しいため、リファラル採用がしづらいこともあり、エンジニア職種の採用活動とはまったく異なる打ち手をあの手この手で考えて、実施し、PDCAを回しながら採用活動を進めています。

また社内規程という、証券を扱う上での社内のルールメイキングも同時に行い、体制の整備も進めています。

3. サービス設計をする

実際に提供したいサービスの具体を決めていきます。

あるべき姿を議論し、どんな人のどんな課題に寄り添いたいのかを仮説ベースで設計していきました。そして、お客さまが抱えている悩み、課題、ありたい姿について解像度を上げるために、アンケートやユーザーインタビューを実施してきました。また法律、各種規則を理解し、どのライセンスであればなにができるかを理解していきました。

プロダクト開発の話をしよう

ここまで事業の全体像の話をしてきました。ここからは「ものづくりの観点」で話を進めたいと思います。

実際にどんな困難があり、乗り越えようとしているのかリアルをお伝えしたいと思います。

顧客を知る、あるべき姿を導く

会社が従業員のためにSOの売却機会を提供しようと思ったときに、誰が誰とどんな調整をするのか。そこにはどんな力学が働いているのか、なにに気をつけて、気をつけないのか。

そのような周辺環境を理解し、プロダクトの設計に反映していきました。

すると特に大きく3種類の属性の方々の関係が重要であることがわかってきました。

  • 会社
  • 会社の役員・従業員
  • 会社に投資している(またはしたい)投資家

これらのステークホルダーの間では、さまざまなコミュニケーションが緻密に行われます。その背景にある考え方、ありたい姿に仮説を立てて、プロダクトに落とし込み、再度法律と照らし合わせてなにができるのかを考えていきました。

この理想と現実の行き来は大変でしたが、とても重要なプロセスでした。

そして、プロダクト上で解決すべき課題と、プロダクト外で解決すべき課題に分解し、オフライン施策を含め、どんな価値提供ができるかを詰めていきました。

すべてをプロダクト上の機能で解決しようとせず、あるべき姿を考えていきました。

法律や規則を理解しプロダクトを再定義

やりたいことを実現するために法律や各種規則と向き合い、具体的にどうすれば実現できるかと理解を深めていきました。

法律以外にも「規則」という、業界団体が業界をより良くするために規定しているルールがあり、それらのどれが該当して、該当しないのかを丁寧に整理していきました。

そして作りたいプロダクト要件の中で、どこが金融商品取引業者として対応すべき業務で、どこがそうでないのかを理解する必要がありました。なぜなら、金融商品取引業者は金融商品取引法やひもづく各種規則に則った対応が必要になるからです。

そのため、ある機能を作るときに「これはどの観点でケアが必要な機能なのか。金融商品取引法なのか、会社法なのか、業界規則なのか、他の法律なのか」を考え、整理していきました。

結果的には法律や規則を理解することはプロダクトとしてのあるべき姿を導くための重要なピースだったと思っていて、お客さま体験や、システム設計の観点にも重要な意味を持っていたので、とても有意義なプロセスだったと思います。

既存プロダクトとのつながりを設計

今回のセカンダリーのプロダクトは、ただ新規サービスを立ち上げればいいと言うわけではありませんでした。

祖業である株式報酬SaaS事業との体験上のシナジーを考慮しつつ設計することで、お客さまが感じる価値を最大化できると考えています。

そのため、それぞれのプロダクトをいかにシームレスにつなぎ、同時にプロダクトとしてのあるべき姿も満たせるか、を考えていきました。

また、議論を進めるなかで、特定の機能に対して「どっちのプロダクトが責務を持つべきか」という論点があり、立ち上げフェーズのこの段階から整理していく必要がありました。

結論を出すためにはプロダクトビジョンがとても大切で、「どうありたいか」から逆算しながら検討を重ねました。

株式報酬SaaSはリリースして1年も経っていないサービスなので、事業の解像度はまだまだ完璧ではないですし、セカンダリーのプロダクトも立ち上げフェーズなので、不確実性が高い状況でした。

それでも自分たちの思考をジャンプさせながら、今考えられる最善のビジョンを作りつつ、2つのプロダクト間のあるべき姿の整理を進めていきました。

このプロセスのおかげで、株式報酬SaaSとセカンダリープロダクトの将来の方向性が具体化されたので、今思うととても意義のある時間でした。

やらないことの意思決定

やることと並行してやらないことも決めていきました。たとえば2つのプロダクトの方針があったとき、どちらで進めるべきか。

  • さまざまなユースケースを加味し、抽象化して最大公約数的なプロダクトにするのか
  • あえて特定のユースケースごとに体験が分岐することを許容するプロダクトにするのか

このような大きな意思決定を、法要件などと照らし合わせつつ、課題の解像度がまだ鮮明ではない初期フェーズから行っていきます。

後戻りできる前提ではあるものの、今時点でのスタンスを決めることでプロダクトの方向性を研ぎ澄ませていきました。

コードも書いてない。PRDも作ってない

2024年4月現在ではまだ、エンジニアがコードを書いていません。

PMもPRDを書いていません。デザイナーが少しずつUIのラフを作りはじめたくらいの状況です。

とにかくプロダクトを作る前段で詰めなければいけないことをひたすらに詰めていきました。そのために必要な情報を取りに行って、整理を進めていきました。

セカンダリー事業を立ち上げる、ということ

最後に改めて私たちは「なにをしているのか」を、今の気持ちと共に言語化してみようと思います。

セカンダリー事業は、私たちにとって特別な想いがこもったサービスです。

事業を推進していくうちに、私たち自身の中に「使命感」のような気持ちが芽生え、日本のスタートアップをより良くするために必要なピースを、自分たちが作るんだという強い気持ちが熟成されていきました。

だからこそ、私たちはこの事業を「Nstockが展開する金融事業」という枠組みだけで捉えていません。「Nstockの株式報酬SaaSに続く2つ目の新規事業」でもありません。

私たちは「スタートアップエコシステムを支えるインフラを作っているんだ」と思っています。

歴史に残るプロダクトを作っているんだ、という強い気持ちで向き合っています。

セカンダリー事業を通じてスタートアップに関わる人をエンパワーメントすることで、自分たちの会社のミッションでもある「スタートアップエコシステムをブーストし、 日本からGoogle級の会社を生み出す」ことを実現したいと本気で思っています。

30年以上続くサービスを作る

ここからは私の個人的な話になるのですが、私はインターネットサービスを10年以上作り続けてきました。多くは時代の流れと共に生まれ、そして消えていきました。変化のスピードが早い業界なので仕方がないのですが、長く続くサービスの尊さをいつも感じ続けてきました。

このセカンダリー事業のプロダクトが「スタートアップのインフラ」として本当に使っていただけるようになるならば、長く続くサービスになりえるのではないかと思っています。

時代が移り変わり、人々が利用するデバイスや技術に変化の波が訪れても、金融サービスは人々のインフラとして生活に溶け込んでいきます。

歳を重ね、自分が定年を迎え、仕事人生を引退しようとしたときに、それでも自分が携わったサービスが愛され使い続けてもらえていたとするならば、こんなに幸せなことはありません。

そんな幸せな事業に携われているんだと思うと、大変なことも乗り越えられるチカラが湧いてきますし、会社のバリューでもある「困難だ、だが必要だ」という言葉がいつも背中を押してくれます。

最後に

いかがでしたでしょうか。一見すると難しそうな金融事業ですが、アツい想いを持って、エモく、困難とワクワクを抱えながら必死にもがいている姿が伝わればうれしいです。

そんなセカンダリー事業ですが、現在、ソフトウェアエンジニアが全然足りません。
本当に全然足りません。
うそだろ、ってぐらい足りません。

本当です。大事なことなのでもう一度言います。
ソフトウェアエンジニアが全然足りません!!!!
金融知識や経験は不問です。安心してください。入社後一緒に学んでいきましょう。

私たちと一緒に歴史に残るプロダクト作りをしていきませんか?
https://herp.careers/v1/nstock/OqhEnehc8dFx

まずは話を聞いてみたいと思った方はこちらからご連絡ください。
https://herp.careers/v1/nstock/THyyh62L_Zkc

長文にお付き合いいただきありがとうございました。やるぞ!

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