Nstock

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株式報酬管理の枠を超えて、Nstockが目指す世界

株式報酬管理の枠を超えて、Nstockが目指す世界

すでに発表させていただいた通り、Nstockは2024年9月9日に総額約30億円の資金調達を行いました。創業から約2年半という短期間で今回の調達が実施できた要因の1つに、Nstock社の1つ目の事業である「株式報酬SaaS事業」の順調な立ち上がりが挙げられます。

本記事では、Nstockの共同創業者であり株式報酬SaaS事業(以下「SaaS事業」)のプロダクトマネージャーを務める高橋とドメインエキスパートの野瀬が、創業から現在までの同事業の振り返りと、これからの事業の展望について語ります。

▼ 株式報酬SaaS事業を数字で振り返る

野瀬:machaさん、あっという間に創業から2年半が経ちましたね。NstockはSmartHR社の100%子会社として設立され、同社から資金面でのサポートを受けてきました。それが、たしか去年の暮れぐらいからでしょうか、宮田さんがみんなの前で「Nstock社はこのままだとあとxヶ月で倒産します、お金がありません!」とジョークなのか本気なのかわからないテンションで言うことが増えて、入社したばかりの人や内定者をドキドキさせていましたよね(笑)。ほんと、無事に資金調達ができて良かったです。

これでしばらく路頭に迷う心配もなくなったので…というのは冗談ですが、今日はDay1から一緒にプロダクトを作ってきたmachaさんと、SaaS事業の2年半の振り返りや将来の話ができればと思っています。よろしくおねがいします!

さっそく今のSaaS事業を数字で振り返ってみたいのですが、まずは今のチーム体制や規模感について教えてもらえますか?

12名チームで月次30%以上で成長中

高橋:はい!Nstockには、2024年8月末時点で37名のメンバーが在籍しています。社員だけではなく、役員である宮田さんと私、エグゼクティブアドバイザーのこばけん(小林)さん、SmartHR社からの出向者1名も含む数です。

Nstockには3つの事業チームがあり、それぞれSaaS事業(12名)、セカンダリー事業(11名)、スタートアップへの再投資事業(1名)、横断チーム(13名)という配置になっています。横断チームには、経営企画・人事・マーケ・ドメインエキスパートなどのメンバーが含まれています。私が所属するSaaS事業の12名の内訳は、エンジニア6名、デザイナー2名、PdM・BizDev・セールス・CSが各1名となっています。

ちなみに、Nstockにはコーポレート部門はありません。SmartHR社のコーポレート部門にサポートを受けている(有償で)ためです。

野瀬:ありがとうございます。一時期は女性社員が私しかいなくて、社員の男女比の偏りが懸念でしたが、それも徐々に解消されてきてバランスの取れた良い組織になってきていますよね。SmartHR社の最強のコーポレート部門がバックアップしてくれるのも、Nstockならではの強みで日々ありがたく感じています。

次に事業やプロダクトに関する数値についてお聞きしてみたいのですが、話せる範囲でSaaS事業のKPIを教えてください。

高橋:いずれも2024年6月末時点の数値ですが、昨年9月の有料化以降、月次30%以上で成長を続けています。Nstockで株式報酬を管理しているユーザー数は約3,000人、契約いただいている社数は…秘密!上場企業からシード期のスタートアップまで、幅広いフェーズのお客さまにご利用いただいています。具体的にどんな会社が?と気になる方は、ぜひサービスサイトに掲出しているお客さまのロゴをご覧ください。

KIQSは1,500ダウンロード突破

高橋:野瀬さんが担当されているKIQS(注:Nstockが無償公開している「税制適格ストックオプション」契約書ひな型キット)のダウンロード(DL)状況はどうですか?

野瀬:KIQSは2022年11月に初版を公開し、その後令和5年度・令和6年度の税制改正のタイミングでアップデートを行ってきました。2024年7月末時点のダウンロード(DL)数は、1,500件を突破しました。重複DLを除く純DL数なので、1,500社の方々にKIQSが届いていると思うと、すごい数ですよね。

もともとKIQSは、管理の前段階である設計フェーズでしくじる人を減らしたい、という想いで作ったものですが、商談などでお客さまと話していると以前よりもべスティング条件や退職時の取り扱いなどの論点をきちんと整理した上で設計されているケースが増えているように感じます。スタートアップ全体のリテラシーの底上げに繋がっているのを感じられて嬉しい限りです。

高橋:「KIQSベースでSO設計→Nstockで管理」という黄金の流れが加速するといいですね!

▼ 2つの機能でバーニングニーズを捉えた

野瀬:次に、プロダクトである株式報酬SaaS「Nstock」の具体的な機能の話に移りたいと思います。さきほど月次30%以上で成長というお話がありましたが、ずばりどの機能が一番お客さまに刺さっている・付加価値を提供できていると感じますか?私の中にも答えはあるのですが、machaさんと答え合わせをしてみたいです。「せーの」で言いましょうか?

せーの!

野瀬/ 高橋:「「契約締結機能!べスティング機能!」」

野瀬:やっぱりその2つですよね!それぞれの機能を簡単に紹介させてください。

契約書にまつわるお悩みを一気に解決

野瀬:契約締結機能は、2023年9月にリリースした機能です。既存のツールでもクラウド上での契約締結は可能ですが、Nstockでは締結の前段階である「個別の契約書の作成」から行うことができます。具体的には、契約書のひな型に付与対象者の氏名・住所・割当個数などを自動で差し込んで個別の契約書を生成し、それらをシームレスにクラウド上で送付・締結することができるものです。

もちろんNstock上で回号や権利者と紐付けて管理されるので、事務局も権利者もいつでも簡単に締結済契約書にアクセスすることができます。「氏名や個数を1つずつコピペ…」や「あの契約書どこいっちゃったっけ?」みたいな問題は一気に解決しますね。株式報酬に特化したNstockならではの機能だと自負しています。

SOのOpsは大きく「契約」「管理」「行使」「株式売却」の4段階に分けて考えることができますが、振り返ってみて、トップバッターの「契約」に関するペインに早めに取り組んだのは良い意思決定だったと思います。おかげさまで、リリース以来多くのお客さまにご好評いただき、千人規模の契約締結にご活用いただいた事例も出ています。

契約締結機能の画面

ありそうでなかったべスティング機能

野瀬:それでは、もう1つのべスティング機能について、machaさんからご紹介をお願いします。

高橋:はい!べスティング機能は、2024年2月にリリースした機能です。べスティング機能とは、その名の通りべスティング条件、つまり「段階的な権利確定」の条件を管理するための機能です。特定のタイミングで一気に権利確定させるのではなく、数年間にわたって徐々に権利確定させることで社員のリテンション効果を狙うものです。

アメリカのシリコンバレーだと、 “4-year vesting with 1-year cliff”と呼ばれるべスティング条件が一般的ですよね。入社時に付与されるSOの場合、入社してから1年後に25%が権利確定し、その後はトータル4年間をかけて少しずつ権利確定する、というものです。

日本でも税制適格SOにべスティング条件を付けるのが浸透してきていますが、問題はそれを十分なレベルで管理できるツールが皆無ということです。リテンションの観点で重要な条件の1つなのに、べスティング条件だけは既存ツールの枠外で管理せざるを得ないのでどうにかしたい…という声をたくさん聞いてきました。

野瀬:私も前職のメルカリで色んなツールを見てきましたが、そもそもべスティング条件は税制適格SOの要件ではないので、対応していない(または対応が十分ではない)既存ツールは多いですよね。法的には必要ない条件を、株式報酬をより機能させる目的で付加的に付けているものなので。

高橋:そうなんです。でも「これこそがバーニングニーズだ」「Nstockのコアとなる価値だ」と直感し、本格的な開発を決意しました。お客さまや商談相手からべスティング条件を細かくお聞きすると、本当に色んなパターンがあって…。まず起算日ですが、入社日だったり上場日だったり、はたまた「特定の条件が達成された日」だったり。べスティングの割合も「分数」で定めている会社があれば当然「%」で定めている会社もあり、端数は切上げなのか切り捨てなのか、端数の調整はいつするのか…と検討項目は非常に多かったです。開発チームが一丸となって頑張った成果がリリースできたときは嬉しかったですね!

野瀬:私も出来上がった画面をはじめて動かしたときは感動しました。べスティングの管理に巨大エクセルを駆使していた実務経験者としては、「自分が欲しかったもの」が形となって世に出るのは嬉しいことです。私の入社経緯を書いた記事で「メルカリでやり残した大きな宿題を解く」なんて言っていましたが、まさにこういうことだ!と思いました。

商談の席でのお客さまの反応も上々で、デモを見たCEOやCFOがその場で「導入します!」と即決される場面が何度もありました。契約締結機能とセットで、最短距離でバーニングニーズを捉えた実感があります。

高橋:まさに。Nstockには契約締結機能やべスティング機能以外にも、SOの経済的価値を可視化する機能や業績・株価条件を管理する機能など、さまざまな機能があります。ミスが許されない数値を適切に管理することや、株式報酬の「価値を正しく伝える」ことに繋がるもので、Opsの効率化以上のメリットがあると考えています。

べスティング機能の画面

▼ 株式報酬管理の枠を超えて、Nstockが目指す世界

株式報酬からセカンダリーのシームレスな体験

野瀬:ここまで創業からの2年半を振り返ってみましたが、ここからは、SaaS事業やNstockの未来の話をしたいと思います。

Nstockのミッションは「スタートアップエコシステムをブーストし、日本からGoogle級の会社を生み出す」です。まだまだ道半ばな我々ですが、machaさんにとってミッション達成に近付くための次の一手って何でしょうか?

高橋:Nstockのミッションは、SaaS事業単体では達成できないものです。株式報酬管理という枠を超え、セカンダリー事業とスタートアップへの再投資事業と上手く連携し、爆発的な相乗効果を生み出した先にあるものだと思っています。

それを前提に、まず足元ではSaaS事業とセカンダリー事業の連携を進めています。セカンダリー事業の詳細についてはtaroさんの記事を参照いただきたいのですが、私自身、最近SmartHR社の株式をセカンダリーで売却する機会がありました(注:高橋はSmartHR社の初期社員で株式保有者)。IPOやM&AといったExitを待たずして、これまでの頑張りや成果に対する一定のリターンが得られたことは、人生の選択肢が増えたり色んなチャレンジができたりという意味で大きなメリットを感じました。

一方、今回セカンダリーの機会があったのは株式の保有者のみで(注:契約内容やオペレーション上のハードルがあった為)、SO保有者は対象外でした。同じ機会がSO保有者にも広がれば、もっとスタートアップに挑戦する人は増えるはずで、それが日本のスタートアップエコシステムの成長にも繋がると信じています。

幸いにも、2022年に始まった「スタートアップ育成5か年計画」の追い風の中で、未上場時に税制適格SOが行使できる土壌が整いつつあります。私は、未上場時にSOを行使して株式を取得し、それをセカンダリーで現金化するという流れをNstock上で実現させたいと思っています。さらに、SOでキャピタルゲインを得た人がエンジェル投資等を通じてスタートアップに再投資を行い、他のスタートアップを応援する、という好循環が生まれれば、Nstockのミッション達成も一気に近付いてくるはずです。

野瀬:SmartHR社でのセカンダリー体験については、Nstockのラジオでもお話しされていましたよね。具体的な金額のところは「ピー」が入っていたのであとでこっそり教えてもらいましたが(笑)、スタートアップドリームでした!それを元手にエンジェル投資や、将来は中目黒でたこ焼き屋さんをオープンされるとか?そういえば、私も将来はお好み焼き屋さんになる予定なので、ライバルになりそうです。

高橋:開店もしてないのに、早くも姉妹店ができてしまった…!

「日本からGoogle級の会社を生み出す」ための機能

高橋:各事業間の連携がミッション達成にマストとはいえ、SaaS事業でもコレ!という最強機能が欲しいですよね。野瀬さんの中で具体的なイメージはありますか?やはり、アレでしょうか?

野瀬:はい、アレです!「非居住者機能」です。日本に住んでいない人を非居住者と呼びますが、非居住者に該当する海外の現地社員や赴任者についても、国内の社員と同じように管理したいというニーズが非常に大きいのです。海外向けSOの設計がいかに難しいか、についてはStock Journalの記事にも書いた通りですが、設計以降の管理についても国内外の様々な法的な制約があって一筋縄ではいきません。証券口座1つ取っても、非居住者が開設するハードルは非常に高いのが現実で。では、リアルな証券口座を作らずして株式を管理することはできないのか?日々、そういうことを模索しています。

この非居住者機能は、Nstockのバリューの1つである「困難だ、だが必要だ」を象徴するようなタスクだと思っています。ミッションにもある「日本からGoogle級の会社を生み出す」ためには、海外に挑戦するスタートアップをブーストする必要があります。古巣のメルカリをはじめ、グローバルで挑戦している/これから挑戦するスタートアップの中から次のGoogle級の会社が生まれてくると信じているからです。

最近は、保坂さんという大手信託銀行で株式報酬制度の設計支援業務に携わっていた方がドメインエキスパートの二人目として入社してくれ、彼が中心となって非居住者機能プロジェクトを進めています。壁は高そうですが、やってやるぞ!という感じです。

高橋:開発面でも非居住者機能は間違いなく最難の機能になりそうですが、その分やりがいもありそうです。やるぞ!

野瀬:と、盛り上がりすぎて長くなってしまいました。そろそろ終わりたいと思いますが、最近Nstock社内で俳句が流行ってますよね。それに乗っかって締めの一句、いかがでしょうか?

高橋:権利得て 行使売却 皆便利

野瀬/ 高橋:おあとがよろしいようで。

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