2024年8月にNstockにソフトウェアエンジニアとして入社し、2025年10月にCTOに就任した田中清さん(以下、tanakiyo)。SIer、ITコンサルティング会社を経て、サイバーエージェントでAbemaTVの立ち上げ、その後医療系スタートアップのメドレーで上場を経験しCTOに就任しました。そんな多様な経験を持つエンジニアが、なぜNstockを選び、CTOとしてどのような組織を目指しているのか。Nstockの掲げる独自の組織運営方針と、これからのエンジニアチームの未来について語ってもらいました。
新規事業と向き合い続けた20年
──突然ですが、tanakiyoさんの仕事ぶりを見ていると、柔軟性や適応力がとても高いと感じています。これはどのような経験から身についたものなのですか?
田中清(以下、tanakiyo):1社目でしょうか。その会社はSIerだったのですが、入社して3年目から自社のパッケージソフトを作っていました。それをベースにASP化しようと、今で言うところのSaaSですね。その新規事業を立ち上げることになった際に、突然上司から「事業計画書を作れ!」と無茶ぶりをされて(笑)。
──3年目で事業計画を作るのはハードですね。
当然、事業計画を作ったことはなかったものの、入社した頃は就職氷河期で、そういう時代だったからか、「会社に依存しない自分自身のスキルをしっかり身につけなくては」という思いが強かったんです。だから少なくとも20代は全部仕事に振り切ろうと決めていました。来たボールはすべて打ち返そうと考えていたので、二つ返事で「やります」と。
──若手に大事な仕事を振ってくれる、良い会社ですね。
そうですね。比較的ハードワークな会社ではあったものの、当時の事業部長に言われていたのは「エンジニアだからといってコードを書いているだけじゃなくて、顧客や事業のことも考えないとダメだ」みたいな。そのような仕事をひたすら積み上げてきたので、今の価値観やスタイルにたどり着いたのかもしれません。

──1社目以外で、キャリアのターニングポイントはありましたか?
サイバーエージェントでの、AbemaTVの立ち上げです。短期間で本当に様々なことをやる必要がありました。コンテンツ契約、納品、番組編成、支払い、広告といったtoB側の業務システム全体を、1〜2ヶ月という短期間で基本的な運用が回る状態にしなくてはいけませんでした。
──カオスな状況が容易に想像できますね。
非常にカオスでした。さすがにコードを書く余裕はなく、完全にマネジメントに軸足を置いていました。
──その後に入社された、医療系スタートアップのメドレーにはどのような経緯で入社しましたか?
医療という自分や家族にとっても身近なテーマに対し、過去に経験してきたBtoCとBtoB双方の経験を存分に活かせると考えたからです。入社したのは、ちょうどオンライン診療が立ち上がったばかりの時期でした。
誰もが挑戦できる社会へ。Nstockとの出会い
──そこから、なぜNstockに入社されたんですか?
Nstockを初めて知った時点では、「SmartHRの宮田さんが立ち上げた会社が、株式報酬の事業をやっているんだな」という程度の印象でした。
Nstockに転職した知人のエンジニアから連絡をもらい、いろいろと話をする中でセカンダリー事業の話題になったんです。それを聞いてすぐに「このアプローチめっちゃいいじゃん!」と感じました。というのも、エンジニアやデザイナーが、ライフスタイルの変化や報酬の問題でリスクを取ってスタートアップに挑戦できないこと、あるいはそれが原因で業界全体の人材流動性が下がってしまうことに対して課題感を持っていたからです。Nstockの目指すアプローチにも共感できましたし、シンプルに新しいマーケットを広げていくことにも魅力を感じ、すぐに入社を決めました。
──入社した当初からCTOとしての期待はありましたか?
いえ、現場の一エンジニアとして入社しました。自分としても、昔から役職や肩書きへの興味がまったくなく、プレイヤーでいたいタイプだったこと、そして入社時には生成AIを活用した開発が盛り上がっていたので、プレイヤーとして新しい開発に挑みたかったこともあり「これはマネジメントをやっている場合ではないぞ」という思いも大きかったんです。
──入社当時はCTOの必要性も感じていなかった?
そうですね。たまに相談に乗ったり、アドバイスしたりすることは、業務の延長で普通にやっていたので、それで十分だろうと思っていました。

──2024年8月にエンジニアとして入社し、2025年10月にCTOになったわけですが、その1年間の考え方の変遷を聞いてもいいですか?
私自身の考え方は大きくは変わっていません。ただ、Nstockを取り巻く環境は変わりつつあると思っています。入社当初はCTOが不要な組織規模で、事業や業務の複雑性がそこまで高くありませんでした。なぜなら、まだそれぞれの事業やプロダクトに集中していれば良く、プロダクト間のシナジーや横の連携について考慮する必要性が薄かったためです。
──CTOを設置した背景として、環境変化の影響が大きいのですね。
そうですね。事業間のシナジーやメンバーアサイン・採用など、横断的な文脈を考慮しながら考えることが増えてきました。単に抽象度を上げた綺麗なシナリオを描くのではなく、そこからさらに分解して考えるシーンが増えてきました。横の連携が増えてくると不整合が出やすいですし、メンバーのストレスも溜まりやすい状況になるのは分かっていました。過去の経験から「うまく準備しないとまずいぞ」と感じ始めていたなか、ちょうどCTO就任の打診があったという経緯です。
組織規模が拡大していく中で、エンジニアリングとビジネスをつなぐハブとして前に立ち、コミュニケーションをシンプルにできると思えたことも、CTOの打診を受けた理由ではあります。
「マネージャーを置かない」のは手段であって目的ではない
──今後の組織づくりについて聞かせてください。Nstockのエンジニアが何名になったタイミングで、組織づくりの次の課題が出てくると思いますか?
人数ではなく、採用基準を変えた時に出てくると思います。今はある程度シニアエンジニアを中心に採用できているので、価値観や経験のギャップは少ないと思っています。これが、例えば新卒採用を始めたなどで採用基準に大きな変化があった際は、組織やマネジメントの設計をすべてやり直す必要があるでしょう。
あとは、評価制度ですね。現状では個人目標の設定とその達成度での評価は実施していないため、これを実施するようになると大きく変わり始めると思います。組織設計やモチベーション維持の難易度がぐっと上がりますからね。
理想としては、組織設計は柔軟性が高い状態を維持したいと思っています。箱として固定化された組織図を決めきるのではなく、プロジェクトレベルで編成や解散を繰り返すようなイメージです。これは、単一プロダクトの世界観だったものが、変数を増やしながら金融プラットフォームとして拡大していく中で、硬直的な組織設計だと横のシナジーを生み出しづらくなると考えているためです。
──Nstockではマネージャーを置かない組織を標榜していますが、今後変わる可能性はありますか?
まず、CTO就任を打診された際も、宮田さんから「マネージャーではなくリーダーとしてCTOに就任して欲しい」と言われました。とはいえ、マネージャーを置かないこと自体を重視しているわけではありません。今後必要になればマネージャーを置けば良いですし、必要性が薄まればマネージャーを置かない設計に戻せば良いと思っています。
現在もマネージャーの責務と業務を分解し、各自に分散させているだけではあるため、マネジメント業務自体は各メンバーの仕事に内在していると捉えています。
Nstockは心から変化を楽しめるエンジニアと相性がいい

── Nstockのエンジニアにはどんな人が多いですか?
自分の役割を「ここからこの範囲まで」と決めないタイプが多いです。ただ、「あくまで根っこの部分はエンジニアだ」という気持ちも持ち合わせていますね。
── 最後に、採用候補者に向けて一言お願いします。
Nstockは成熟していない部分もあるスタートアップですし、事業を立ち上げていく中でやるべきことや、整っていない部分も多数あります。その部分も含めて、前向きに面白がって取り組める人は、Nstockにはとても合うと思います。変化を一緒に楽しめる人にぜひ来てほしいです!
── 変化を一緒に楽しめるのは大事ですね!
そうですね。単に仕事ができること以上に「人間性や価値観が合うこと」は、とても重要です。マネジメントをシェアリングしている分、エンジニア自身が自律的に考えて動く必要があるので、背中を預けられるような信頼関係の構築は重要だと思っています。型に縛られずにメンバーと議論をしながら物事を進めるのが好きなエンジニアにもフィットする環境なので、気になった方はぜひカジュアルに話を聞きに来てください!
お知らせ
Nstockでは、ともに変化を楽しみながら、スタートアップのインフラを作っていくソフトウェアエンジニアを募集しています。

