Nstock

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Nstockで事業をエンジニアリングする面白さ

Nstockで事業をエンジニアリングする面白さ

2024年9月9日(月)に、30億円の資金調達を発表したNstock。そんなNstockに参画しているエンジニアは、これまでどのようなことを経験してきたのでしょうか。創業初期から参画している2人のエンジニアにこれまでの経緯を聞きつつ、これから向き合っていくテクノロジーやエンジニアリングについて語ってもらいました。

ソフトウェアエンジニア ryan

前職はAIスタートアップにてwebエンジニア・EMを経験し、2022年4月にNstockに入社。Nstockでは株式報酬SaaS事業のソフトウェア・エンジニアとして従事している。

ソフトウェアエンジニア wadayoshi

金融系SIerやFintechスタートアップにて、エンジニア、プロジェクトマネージャー、開発組織の立ち上げなどを経験し、2022年4月に1人目の正社員としてNstockに入社。株式報酬SaaSのプロダクト開発に関わったのち、現在はセカンダリー事業のプロダクト開発や組織づくりに従事している。

全エンジニアがフルスタックに2プロダクト5サービスを構築中!

wadayoshi:今、エンジニアが関わっている事業は株式報酬 SaaS 事業とセカンダリー事業の2つです。それぞれに参画している僕たちから、まずはシステムの概要をお話できればと思いますが、まずはryanさんから、株式報酬SaaS事業についてお願いできますか?

ryan:はい。Nstockのミッションは「スタートアップエコシステムをブーストし日本からGoogle級の会社を生み出す」です。

Google級の会社を生み出すには、優秀な人材を採用することも重要。そのための武器になるのがストックオプション(以下SO)です。しかし、SOは管理・運用コストが高く、うまく使いこなせていないスタートアップも少なくありません。それは、とてももったいないことです。

そこでNstockは、SOの管理・運用を楽にし、権利者の方々にSOの価値をストレートに伝える株式報酬SaaSを展開しています。これはNstock最初のプロダクトで、2022年から開発しています。

また、株式報酬SaaSには、事務局向け・権利者向けの2つのサービスがあります。

  • 事務局向けサービス:
    • CFOやSOの実務担当の方に向けて、SOを管理しやすくするためのサービスです。
  • 権利者向けサービス:
    • SOの権利者である役員や従業員のみなさんに、付与されているSOの価値をわかりやすく伝えるサービスです。モバイルで利用するWebサービスとして開発しています。
事務局サービス(開発中のイメージ)
権利者サービス(開発中のイメージ)

ryan:採用している技術スタックは採用資料に記載の通りです。

株式報酬SaaS事業 技術スタック

セカンダリー事業についてはどうですか?

wadayoshi:今の日本では、SOを付与されても、様々な理由からそれを行使して得られた株式を売却できるケースはまだまだ多くありません。企業が上場していない状況であってもSOを行使し、株式を売却できるようにすることで、ライフイベント等の資金ニーズに応えたり、転職をして新たな挑戦をしたり、レイターで参画したメンバーへの再配分をしたりと、スタートアップではたらく人の選択肢を増やすための事業を準備しています。

サービスとしては、証券業務向け・発行体向け・投資家向けの3つのサービスがあります。

  • 証券業務向けサービス:
    • 投資家の管理、取引、決済など、株式取引を行うために必要な業務の推進に向けてNstock自らが利用するサービス
  • 発行体向けサービス:
    • 取引条件を定めたり、SOを行使して売却する投資家を選定したりするサービス
    • 株式報酬SaaSのサービスを導入するような企業の方にご利用いただく想定
  • 投資家向けサービス:
    • 権利者が付与されたSOを行使した後、株式の売却や購入をできるようにするサービス
    • オンライン証券が提供する投資家向けサービスと比較し、当初はそれよりもシンプルなものを提供する予定

wadayoshi:技術的には株式報酬SaaSと近いアーキテクチャ・技術スタックを採用していますが、まだまだ開発を始めたばかりなので変わる可能性はあります。僕たちが今構築しているのは私設取引所と呼ばれるようなものなのですが、金融機関等との接続は多くありません。一方で株式報酬SaaS同様に、外部のSaaSやクラウド事業者のサービスを利用していて、そういう意味ではよくあるWebアプリケーションの開発と近いと思っています。何より、僕たちの事業は株式報酬SaaSのデータベースが必要なので、そちらとの連携が欠かせません。

ryan:つづいてエンジニア体制や開発プロセスについてですが、株式報酬SaaS事業では、エンジニアは6名在籍しています。取り組む事業領域の特徴からか、スタートアップ経験者が多い印象です。

立ち上げ当初にドメイン知識を持つメンバーは、エンジニアではwadayoshiさんだけでした。あとは入社後に社内勉強会でキャッチアップしていました。

wadayoshi:重宝されていたと信じています。あ、今もか(笑)。

ryan:(笑)。開発プロセスは、1週間スプリントのスクラム開発をベースに、少し調整しています。各スプリントの終わりに振り返りをして、その中で出てきた課題に対して、新しい方法を常に試しているためです。

2年ほど開発してきて、メンバーも増える中で、プラクティスとして定着したものもあれば、やめたものもあります。その取り組みは、Startup in Agileというイベントでエンジニアのjagaさんが発表しているので、ぜひ見てほしいですね。

そのリズムから外れるものとして、大きな機能の仕様策定があります。これは、PMとドメインエキスパートがまずは要求レベルのたたき台をつくり、その後、デザイナーやエンジニアを含めて、随時の打ち合わせを通じて仕様を具体化しています。

wadayoshi:今もエンジニアは幅広く関わっていますよね?

ryan:そうですね。全エンジニアがフルサイクルに開発に関わっています。技術領域としても特にfront/backなど分けてはいません。ただ、お持ちの専門性は活かしてもらいたいので、各々の得意な分野についてはリードしてもらっています。

wadayohi:セカンダリー事業の方は、僕1人の時期が半年程あって、その間は全くコードを書いていませんでした。開発が本格的に始まったのは、エンジニアが増えた2024年夏からだったりします。開発プロセスをどうするかも多少議論があったのですが、僕たちは2週間スプリントのスクラム開発をやっていくことにしました。今はPM1名、デザイナー1名、エンジニアは4名という体制で、全員がフルスタックに開発に携わっているのは株式報酬SaaS側と同じです。スクラム体制以外にも、オペレーションやコンプライアンス等を担当するチームが別にあって、全体としては10名以上がセカンダリー事業に関わっています。

事業特性を踏まえることが、エンジニアとしての面白さであり難しさ

wadayoshi:組織面やプロダクト面では、どのような課題がありますかね?

ryan:課題というと少し違うのですが、開発するためにはSOについてのドメイン知識が一定必要になります。また、法改正の動向にも注視が必要というのは特徴かもしれません。

これについてはドメインエキスパートが勉強会を開催したり、改正の要点について教えてくれるので、僕たちはそこでキャッチアップしています。

wadayoshi:たしかに。税制適格SOの権利行使期間延長とかですよね。セカンダリー事業も、保管委託要件の緩和に関する法改正の動きがあったからこそ始められているものだったりします。

ryan:そうですね。改めて課題で言うと、事業における様々な複雑性と向き合うことになるというのは感じますね。SOを管理するだけでそこまで難しくないと思われがちですが、いくつかポイントがあります。

まずは、SOに関わるオペレーションを行うときに登場するステークホルダーの多様さが挙げられると思います。

wadayoshi:ステークホルダーとは証券会社や信託銀行で、そちらへの情報連携がオペレーション上必要ですよね。フォーマットが違ったり、紙だったり。

ryan: はい。証券会社・信託会社など個社毎に連携するフォーマットが違ったり、連携方法が違ったりします。それらをサービス側で吸収する必要があります。

次に、SOの契約内容そのものの自由度が高いというのもポイントの一つです。

SOの契約内容に付与するSOの個数が記載されるのはもちろんなのですが、権利が確定する条件、行使ができる条件などはSOを付与する企業によって様々なんですよね。例えば、上場してからの業績や株価が含まれているとか。定量的でデータベースに正規化しやすいものだけとは限らなくて、但し書きのようなものもあったりします。

wadayoshi:べスティング条件とか、ホント大変。

ryan: べスティング条件は開発してる中でも苦労しましたよね。

また、SOが取り得る状態と表現も多いこともポイントです。SOは付与・権利確定・行使(申請)など、たくさんの取り得る状態があります。その各状態のときに、帳票やグラフへの出力を求められたりもしますし、特定時点のスナップショットや、一定期間の集計結果等が必要になることも多いです。

ここまでは事務局サービスでの話ですが、一方で権利者サービスでは、SOの複雑な内容を平易に伝えて価値を感じてもらう必要があるので、事務局サービスの設計・開発をやっている時とは頭の使い方が違うような気がします。

そんなことがあるので、組織面ではドメインエキスパートとの密なやり取りができるチームになっています。チームにドメインエキスパートが2名在籍しているのもそのためです。

複雑な領域であってもスピーディに価値を提供できるように、チーム全員がプロダクト・エンジニアとして、サービスのあらゆる部分にコミットできるようにしています。

ryan:ちなみに、セカンダリーの開発が始まったのは2024年夏とお話ししていましたよね?立ち上がったばかりだからこそ感じる課題はありますか?

wadayoshi:そうですね。セカンダリー事業の方はようやく開発体制っぽくなって開発が始まったという状況なので、試行錯誤しながら前に進めなければならない難しさがあります。ryan さんが先程ドメイン知識が一定必要で、法改正の動向にも注視が必要だという話をしてくれたのですが、セカンダリー事業においては同じだなと思う部分とちょっと違うなと思っている部分があります。

そもそも僕たちがやろうとしているのは、まだ世の中に存在しない事業を創り出すことなんですよね。そのドメインを業務として経験してきた方が在籍しているわけでも、社外や他社に事例があるわけでもありません。こうすればよいという正解をサービスに落としていくというよりは、正解と思われることや推奨されるやり方を僕たちで構築していく必要があります。それを新しいチームでやっていくというのはとても難しいですね。

ryan:確かにその辺りは株式報酬SaaS側と似ているようで違っていますね。

wadayoshi:そうなんですよ。法律はもちろんですが、監督指針や自主規制がサービスの仕様に影響を与える要素になるので、ここを踏み外さないような仕組みをどう構築するかというのは、僕たちがずっと向き合う課題になると思っています。

ryan:体制的なところはどうですか?開発が始まったとのことで、僕も気になっていたのですが。

wadayoshi:エンジニアが4名になるまでは、僕が採用や規定作りを担いつつ、肝になりそうな大枠のビジネス要求を拾っている状況でした。先程セカンダリー事業でもスクラム開発を採用したと言いましたが、チームの垂直立ち上げが必要な局面で、同じスクラム開発と呼んでいても中身はそれぞれだったりするわけです。PMも交えてスクラムガイドの読み合わせをしたり、僕も在籍していた株式報酬SaaS側のスクラム開発を参考にさせてもらったりして、ようやく開発にこぎつけられました。技術スタックを決めていったのも、この頃ですね。

wadayoshi: それぞれの事業の特性を踏まえると、エンジニアとしてはどういう面白さや難しさがありそうですかね?

ryan:これは事務局サービスと権利者サービスと、それぞれにありますね。

たとえば難しさを株式報酬SaaS事業の「行使申請」という機能で説明すると、株式報酬SaaSを導入してくださる企業を担当する証券会社が異なったりするんですよね。すると、それぞれ異なるフォーマットに対応する必要があったりします。そのたびにゼロから開発するというわけにはいかないので、拡張性を意識した実装を進めるようにしていて……。それは難しさとも、面白さとも言えそうです。

wadayoshi:拡張性という意味だと、SOの契約内容なんかもまさにですよね。

ryan:ですね。多くの企業に導入していただくためには、仮に複雑な契約内容であっても、それを表現できるモデルを構築する必要があります。PMやドメインエキスパートは公開された有価証券報告書を参照するのが習慣になっていますし、その中で新しい概念が出てきたりして、既存の設計を見直すきっかけになったりもします。

他にもSOは、行使はもちろん、株式分割、資金調達に伴う評価額の変動など、様々な影響を受けます。それを時系列で正しく管理できるようにするのは、難しくもあり面白い部分ですね。

権利者サービスの場合は、初めてSOを付与された権利者の方がその価値を感じられるように、UI/UXにかなりこだわっていると思います。スプリントレビューの中で、一言一句見直しをかけるというのはもちろんですし、同一の内容であっても、事務局サービスと権利者サービスで表示内容を変更するというようなこともやっています。

wadayoshi:後は、セカンダリー事業へのデータ連携とか。

ryan:それももちろんありますね。まだまだ考えられていないのですが、株式報酬SaaSがデータプラットフォームとしての特性を持っていそうだね、という話をしたことがあって。親会社であるSmartHRが目指す世界観と近い部分があったりして、うまくやっていきたいと思っています。

wadayoshi:株式取引所を構築するセカンダリー事業ではあるものの、高トラフィック・低レイテンシーが求められるわけではなかったり、総合証券やネット証券と違って、金融商品の取り扱いが少なく、基幹系に相当する部分がかなり薄いというのが、セカンダリー事業の技術的な特性だと思っています。

ryanさんが挙げてくれた時系列の正しい管理や、UI/UXのこだわりというところはセカンダリー事業でも同様なのですが、それに加えて、システムの堅牢性やセキュリティの観点が話題に挙がりやすいというのはありますね。ひとつのサービスに問題があったとしても、他のサービスに影響を与えないようにするとか、決して潤沢ではない体制の中でリスクを見極め、どのようなサイバーセキュリティ態勢を構築して、どの程度の技術的対策を行っていくのかとか。

ryan:そこはwadayoshiさんの知識や経験が活きそうですね。

wadayoshi:だといいです。こうすれば絶対に大丈夫、というのは無いと僕は思っているので、いい塩梅を見つけるというのが面白くて難しい部分です。

プラットフォームになるため、先を見越したアーキテクチャが必要

wadayoshi:今後に対してはどのような見通しを立てていますか?

ryan:まず現時点でいうと、立ち上げ初期のMVPを作るというフェーズは、完全に脱していますね。まだまだ機能不足なので開発を加速させていく必要はありますが、この機能があればお客様であるスタートアップにとってプラスになるぞ、と思いながら開発できるのは結構楽しいです。お客様からお褒めの言葉や感謝の声をいただくことも少なくなく、励みになっています。

wadayoshi:僕もその一部を担っていたので、めちゃくちゃ共感します。

ryan:今後はデータプラットフォームとして、Nstockの他サービスから利用される存在になります。そのため、少し先を見越したアーキテクチャの設計・改善に取り組んでいくと思います。

また、2年以上開発を続けてきた分、リファクタリングにも継続的に取り組んでいこうと思っています。設計や開発を進めていく上で必要なドメイン知識をエンジニアが身に着けてきたというのもありますし、複雑なドメインであるからこそ、その複雑さを下げるモデリングをすることで、開発スピードと品質の向上を図ることができると思っています。

wadayoshi:先日株式報酬SaaSのリポジトリを参照したんですが、めちゃくちゃスッキリした箇所があったりして驚きました。

ryan:そう思ってもらえるならよかったです。今は株式報酬SaaSのスクラム開発が2チームになっていて、wadayoshiさんが在籍していた時から変わった部分も多いと思います。今後も提供する価値やそのスピードを向上し続けられるように、様々な施策を取り入れていこうと思っています。

wadayoshi:セカンダリー事業の方は、まずはしっかりと僕らの思い描いている事業やサービスを世に送り出すというのが重要だと思っています。証券会社としての業登録を行う都合上、仮説が間違っていたら変えればいいと簡単には言えない部分もありますが、SOを付与された権利者が投資家になり、株式の売買を行う過程で発生する様々な状況や状態を、保守性の高いモデルに落とし込んでいくというのは必ず実現する必要があります。もちろん、それを実現するためにチームのケイパビリティを上げていくというのも欠かせません。

ryan:株式報酬SaaSとの連携もありますしね。

wadayoshi:そうですね。株式報酬SaaSのサービスがデータプラットフォームになっていくのだとすると、セカンダリー事業のサービスは可能な限り結合を疎にしたり、依存を一方向に保つような配慮が必要なんだと思います。単体の事業だけでなく、Nstock全体とその先を見越したアーキテクチャにしていく必要があるということなので、ワクワクしますね。 

事業やドメインを理解してスタートアップに貢献したい方をお待ちしています

wadayoshi:これまでの話を聞いて少しでも多くのエンジニアの方に興味を持って頂けたらと思っているのですが、最後に Nstock に向いていそうな方や、人事制度について話しましょうか。

ryan:端的に言うと、Nstockのミッションに共感してくださる方だと思います。スタートアップで働く方にとっては、株式報酬SaaSに触れることが、僕たちのサービス品質や信頼、Nstockが目指す世界を感じ取るきっかけになります。SmartHRがそうであるように、次の会社でもNstockを使いたいと思ってもらえるようなサービスを通じてスタートアップに貢献したい方に、ドアを叩いて欲しいです。

wadayoshi:ですね。人事制度としては、今は等級制度と報酬制度を運用しています。給与は職種と等級によって定まるベースの部分に加えて、全社目標達成に伴う一律昇給や、半期毎の株式報酬等があります。詳しくは採用資料をご覧いただければと思います。

ryan:事業やドメインを理解してそれを適切なモデルやUI/UXにしていきたい方、時には自ら提案し、スピード感を大切にしながら、色々な変化を楽しみたい方であれば、活躍していただけると思います。

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